47:非定型発達

47:非定型発達

子どもの発達には,さまざまな要因が影響している。子どもの身体的な成長に関して,成長段階の時期であるものの身長が伸びないなどの身体的な問題が発生することを成長障害という。器質性の成長障害には,ホルモンの異常が関与している成長ホルモン分泌不全低身長症や,甲状腺機能低下症がある。そのほかにも,口唇口蓋裂などが原因で哺乳不全が影響することもある。一方で,明らかな器質性の原因が認められない器質性の成長障害も存在する。その要因として環境的なネグレクトや刺激のはく奪などが指摘されている。また,在胎週数37週未満で出生した早産児や,出生体重2,500g未満で生まれた低出生体重児は,神経学的後遺症や,明らかな障害が認められなくても発達上の問題を呈することがわかってきている。

発達障害は,DSM-5(2013)によって,神経発達症として位置づけられ,個人的,社会的,学業,または職業における機能の障害を引き起こす発達の欠陥により特徴づけられるものと定義されている。この症群には,知的能力障害,コミュニケーション症,自閉スペクトラム症(ASD),注意欠如・多動症(ADHD),限局性学習症(LD),運動症などが含まれる。アタッチメント障害は,著しく障害された発達的に不適切なアタッチメント行動の様式があり,特徴としては,子どもと養育者との間のアタッチメントの欠如,また著しく未発達なアタッチメントである。抑制型(人との接触行動が過度に抑制されている)と,脱抑制型(人を選んで適切に愛着を示す能力が欠如した無分別な社交性)に分類され,抑制型は反応性アタッチメント障害,脱抑制型は脱抑制型対人交流障害とよばれる。

(横山佳奈・永田雅子)

文  献
  • American Psychiatric Association(2013)Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders. Fifth Edition: DSM-5. APA.(高橋三郎・大野裕監訳(2014)DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院.)

※用語の出典は,『公認心理師基礎用語集 よくわかる国試対策キーワード117』(2018年8月発売)となります。最新版(2022年5月発売)は⇩をご覧ください。

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