浜内彩乃 ・星野修一 著『心理職は検査中に何を考えているのか?──アセスメントからテスト・バッテリーの組み方、総合所見作成まで』(岩崎学術出版社,2023年)
浜内彩乃・星野修一 著『心理職は検査中に何を考えているのか?──アセスメントからテスト・バッテリーの組み方、総合所見作成まで』(岩崎学術出版社,2023年)
内容説明(出版社HPより) 心理職として働くにあたって,「心理検査に精通していること」が求められることは少なくありません。しかし,いざ心理検査を実施しようとしても,多くの悩みが生じてしまいます。 実施前では……, ・この心理検査で目的に沿った結果が出るのだろうか? ・テストバッテリーはどう組めばいいのだろうか? ・検査道具や教示はこれでいいのだろうか? 実施中には……, ・思わぬ質問が出てきたが,どのように対応したらいいのだろうか? ・クライエントが懸命に答えている最中は何をしていたらいいのだろうか? ・何を記録しておくといいのだろうか? ・クライエントに聞いておいた方が良いことはあるだろうか? 実施後にも……, ・この解釈で正しいのだろうか? ・結果をどのようにまとめたらいいのだろうか? ・いつも同じような所見の内容になってしまう ・所見がマニュアルに書いてある単語や文のつぎはぎになってしまう ・クライエントの役に立てる所見になっているだろうか? 本書を開いている皆さんであれば,こうした悩みにご自身の体験と重ねてうなずくことも多いでしょう。 今までの書籍や研修会は,データを解釈するための知識やスキルに焦点を当てたものが多いようです。 また,心理検査の書籍に掲載される事例には,背景の情報や検査データ以外にも多くの情報がありますが,それらの情報と検査データとがどのように結びついて所見が作成されているのか,詳細を記したものはありません。 そして検査結果の解釈について多くのことが載っていても,それらをどのように組み合わせて所見にしていくのか,その過程は明示されていません。 そこで,本書では,各検査の特色について理解することから始まり,クライエントの情報収集の必要性や,検査中の行動観察が検査データとどのように組み合わさり,所見を作りあげていくのか,そのプロセスを明示しています。 それらをリアルに,またオープンに描き出すことで,その行動や思考過程を可視化できる形にしてみました(リアルを追求しすぎて,登場する心理職は非常勤勤務という「あるある」もあります……)。 若手心理職がつまずきやすいところを検証し,私たちが日々臨床の中で何を考えながら心理検査を実施しているのかを振り返り,できる限りのことを文章にしています。心理検査を実施する際に,心理職がどのようなことを思い浮かべているのか,そのあれやこれやを書き連ねています。 本書を読み進めてもらえれば,心理検査に習熟した心理職の思考を疑似的に体験できるような作りにしています。あくまで試みではありますが,同様の本は現在のところ他にはないと自負しています。 各心理検査のマニュアルと解釈の専門書とを有機的につなぎ,検査データとリアルなクライエントの様子とをいきいきとつなぐ それがこの本の最大の特長です。
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