【特集 臨床的メンタライジング・アプローチの可能性】#00 はじめに|上地雄一郎

上地雄一郎(岡山大学名誉教授
シンリンラボ 第32号(2025年11月号)
Clinical Psychology Laboratory, No.32 (2025, Nov.)

日本の心理療法の世界で,メンタライジングの視点および「メンタライゼーションに基づく治療」(MBT)を学ぶ人や実践する人は,着実に増加している。

この特集では,そうした学習者や実践者を鼓舞するために,臨床的メンタライジング・アプローチの諸領域について,その領域に取り組んできた臨床家の方々に論じていただく。

まず,上地がメンタライジング・アプローチの最新モデルを概観し,次に西村氏が,MBTにおいて重要な領域であるグループ(集団療法)への取り組みを紹介する。その後に,渡部氏が,子どもと親への支援である時間制限式MBT-Cの視点と介入法を児童精神科外来に導入する試みについて記述し,揖斐氏が,青年期の患者を対象にしたMBT-Aにおける治療構造や介入法の調整について説明する。最後に,支援困難な要支援者を取り囲む支援システムをメンタライジング的なものにし,要支援者の認識的信頼を育むAMBITについて,大橋氏が解説する。

バナー画像:wal_172619によるPixabayからの画像

 

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上地 雄一郎(かみじ・ゆういちろう)
履歴:岡山大学名誉教授,博士(心理学)
資格:臨床心理士
専門領域:愛着やメンタライジングの視点に基づくセラピー・アプローチ
主な著書・訳書:『メンタライジング・アプローチ入門』(北大路書房,2015)
アレン・J・G著;上地・神谷訳『愛着関係とメンタライジングによるトラウマ治療』(北大路書房,2017)

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