【特集 教師を支える】#00 はじめに|桑原知子

桑原知子(京都大学名誉教授・放送大学特任教授)
シンリンラボ 第23号(2025年2月号)
Clinical Psychology Laboratory, No.23 (2025, Feb.)

文部科学省は,「精神疾患により病気休職を発令された教職員の人数は増加傾向にあり,教職員のメンタルヘルス対策は喫緊の課題です。学校教育は,教職員と児童生徒との人格的な触れ合いを通じて行われるものであることから教職員が心身ともに健康を維持して教育に携わることができるようにすることがきわめて重要です」と述べ,教職員のメンタルヘルス対策の重要性を指摘している(教職員のメンタルヘルス対策について:文部科学省)。

しかしながら,現状においては,教員はますます追い詰められており,離職者も多い。では,どうすれば教員は「心身ともに健康を維持して教育に携わることができる」のであろうか。
本特集においては,「教師を支える」という方向性からこの問題に迫ってみたい。まずは,学校の現状を明らかにしたうえで,それに対して心理臨床家は何ができるのか,教師と共に考えてみたい。

バナー画像:Rosy / Bad Homburg / GermanyによるPixabayからの画像
Harish SharmaによるPixabayからの画像

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桑原知子(くわばら・ともこ)
京都大学名誉教授・放送大学特任教授
資格:公認心理師・臨床心理士
主な著書:『もう一人の私』(創元社,1994),『カウンセリングで何がおこっているのか─動詞でひもとく心理臨床』(日本評論社,2010),『教室で生かすカウンセリング・アプローチ』(日本評論社,2016) など
趣味:テニス

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