【特集 災害支援とサイコロジカル・ファーストエイド】#00 はじめに|池田美樹

池田美樹(桜美林大学)
シンリンラボ 第20号(2024年11月号)
Clinical Psychology Laboratory, No.20 (2024, Nov.)

サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)は,緊急時・災害時に活動するすべての領域における支援者が用いることを推奨されている国際的なガイドラインである。PFAには,世界各国において,支援の対象者や提供者,活動する場面に応じてさまざまな版のマニュアルが存在する。本特集では,改めてその要旨や要点を紹介して,読者である心理職や支援職の方にPFAに触れていただく機会となれば幸いである。

PFAの実践では,いつ(When),どこで(Where),誰が(Who),何を(What)しているのか=4Wsを把握し,同時並行的にすべての支援領域の支援サービスが被災地域の人々のニーズに沿って提供されるよう調整されることが求められる。また,特集では,PFAが実際にどのように活用されているのか(東日本大震災,コロナウイルス感染拡大状況下,能登半島地震等での心理支援)や,日本ならではの修正や工夫の必要性などを紹介する。

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池田美樹(いけだ・みき)
武蔵野赤十字病院精神科臨床心理係長を経て,桜美林大学大学院臨床心理学専攻リベラルアーツ学群・大学院心理学研究科准教授。災害支援者支援の研究,災害支援活動多数。東日本大震災では「日赤心のケア班」として,熊本地震では災害派遣精神医療チーム(DPAT)として現地で活動。能登半島地震災害では,文部科学省緊急派遣スクールカウンセラー派遣調整に従事。日本公認心理師協会理事,日本ストレスマネジメント学会常任理事。
資格:公認心理師,臨床心理士,精神保健福祉士,DPATインストラクター,子どものためのPFA指導者
主な著書:『こころに寄り添う災害支援』(共著,金剛出版)など
趣味:ランニング,テニス,ピアノ

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